以前書いた記事「インドのメディアが日本の皇位継承問題に言及」でも述べたように、妙な忖度や利害関係の無い海外メディアの方が、日本の皇位継承問題についてはるかに冷静で正確な現状分析を報じることがしばしばあります。
こちらもその一つ。オーストラリアのメディア「 The Conversation」が伝える「Japan’s looming imperial crisis – why it’s time to open the succession to female heirs」(迫り来る皇室の危機 – なぜ女性後継者に皇位継承の門戸を開く時なのか?)という記事です。
この記事は、単に現状の分析だけでなく、皇祖神が天照大御神である事などを示した上で
The myths surrounding Japan’s imperial origins are firmly rooted in matriarchal influences.
日本の皇室の起源をめぐる神話は、母系制の影響にしっかりと根ざしている。
と、かなり本質にせまる理解とともに書かれているのがわかり、感心します。すくなくとも「日本の事をわかってない外国人が!」などという罵詈雑言はまったくお門違いです。
理性をもった人が、丁寧に日本そして天皇の歴史と向き合ったら「男系男子固執」に違和感を持つのは当然の帰結なのでしょう。
そして、その違和感を滲ませるように、自民党の姿勢を次のように記述します。
A recent poll suggested 90% of public support for a change to the law to enable women to take the throne.
In October 2023, Japan’s prime minister, Kishida Fumio, called for discussion on the issue of male-only imperial succession and set up a group to explore the possibility of change.
But conservative members of the ruling Liberal Democrat Party continue to oppose this and block any debate about women on the throne from moving forward. They claim that the “unbroken” male lineal succession is based on an ancient tradition and is something “inherently Japanese”.
最近の世論調査では、女性が皇位につくことを可能にするための法改正に90%の国民が賛成している。
2023年10月、日本の岸田文雄首相は、男性のみの皇位継承問題について議論を呼びかけ、変更の可能性を探るグループを立ち上げた。
しかし、与党自民党の保守派はこれに反対し続け、女性の皇位継承に関する議論が前進するのを妨害している。彼らは、「途切れることのない 」男系継承は古くからの伝統に基づくものであり、「本質的に日本的なもの 」だと主張している。
これによって、自民党は、大多数の国民の声も無視し、歴史から読み取れる帰結も無視しながら、議論の前進を妨害してまで男尊女卑を死守しようとする野蛮な政党だとバレてしまっていますね。
恥ずかし〜!!
ほどなく引退するであろう爺さん婆さん連中はともかく、これから数十年に渡って諸外国との関係構築を行う自民の若手議員たちは、こんな恥ずかしい事に思考停止で従属して本当に良いのか、よーく考えた方が良いですよ。